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東京へ来た時、広島弁を使うのをやめた。
なんだかいやに馴れ馴れしく話しかけるようで違和感があった
標準語でしゃべる人間に初めて出会った
本当にドラマの中みたいなしゃべり方をする人がいるんだと知った
東京に来て「私」というようになった
友人の結婚式で広島に帰った時にみんなにひやかされた
「東京もんになってしもうたんか。」
広島弁を使おうと思ってももう使えなくなっていた
広島にいた頃、朝市民球場の前を通ると
ホームレスのおっさんたちが集まって丸めた新聞紙で野球をしていた
夜市民球場の横を通ると
アナウンスが流れ、メガホンと歓声が聞こえて
空いっぱいに照明が広がってまるで竜宮城みたいだった
代官山で働いていた時井の頭線の始発で通っていた
春になると新人研修が始まって電車が信じられないくらい揺れた
同じ車両に同じメンバーが座っていてきっとみんな同じ気持ちだった
ヨドバシがまだ三越だった頃、その中にあったパン屋で働いていた
ある年のクリスマス、たくさんの食パンを買っておじいさんが言った
僕は今から四国へ引っ越すんだ、ここのパンももう食べおさめだね。
とってもおいしいからおみやげにするんだ。
私は笑顔でパンを渡し、おじいさんは振り返って「メリークリスマス」と言った
東京のみなさんいままでありがとう