お久しぶりです百式です。
私は山本直樹が好きです。
この人の漫画は本当にエロい。
だけどいやらしいのとは少し違う。
体温があるようで、感触がないようで、表情がないようで、日常の時間が流れているようで、
なんとも不思議な漫画を書く作家。
若かりし頃、BLUEという漫画に出会い痺れました。
逃避行に行こうと告白する少年の後ろで流れる
みちのくひとり旅がやけに印象的で、
この人の漫画を読むと、
時空の隙間に落っこちたような
なんともいえないふわふわした気分になるのです。
「BLUE」
この一巻に収録されている「夕方のおともだち」は、
山本の仕事の中でも珠玉のものです。
常人ならざるM気質の男の物語ですが、
尻をおろし金ですりおろしたところにタバスコをかけたり
金属バットで殴り倒したり、
「血を抜かなきゃ」と
勃起した性器に剃刀を当てたり
それはもう壮絶なお仕置きが繰り広げられるわけですが、
それと同時にありきたりな毎日の時間が流れていて、
登場人物たちは淡々と生活していて、
非日常と日常の境目はないその感じが
少しの恐怖と安らぎを与えてくれるのです。
この人と冨樫は少し似ているなあ
と、かねてから思っていたのですが、
インタビュー記事を読んで、
妙に納得できました。
山本直樹インタビュー
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