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自分を考えようと思う

 私の生まれた町はとても小さな田舎町だ。

小さなころ、近所のデパートが夏の間土曜日だけ長くあいていて、
金魚すくいやお化け屋敷が開いていた。
土曜夜市は私にとって遊園地のような、とても素晴らしくきらめいていた。
夜に出かけるドキドキは私にとってとても刺激的だった。

町にはマックなどもちろんなく、ゲームセンターもなく、
学生が立ち寄れるような場所はほとんどなかった。
本屋だけが私にとってのワンダーランドだった。
18まで、8時以降家から外出したことはほとんどなかった。

「あんたは本当に何も欲しがらない子ね」

母親がいうその言葉は私にとって褒め言葉だった。

「手のかからない子ね」

そう言われるととても嬉しい気持ちになった。

自ら欲するということはすべて親の力を借りなければいけなかった。
小遣いはもちろん、本屋へ行くこと、どこかへ出かけること、買い物へ行くこと、
自分の力ではどうすることもできないようなそんな気がしていたのだ。
どこに行くか告げずに家を出るのが難しい
誰とどこへ行くのかを言わずに出かけることができなかった


欲しがることは卑しいことだと思っていた。

何事にも興味がない、というスタイルをとることが素晴らしいと思っていた。

なにを言われても「別に…」と窓の外を眺める、それこそが至高と思っていた。


それは私の体の奥深くまで染み込んでいて、
今でも私は一番欲しいものを買うことができない

ちいさな町ごと監禁されていた
そういう感覚なのかもしれない
欲しがっても手に入らない事は気付いていた
欲しがらないことは当たり前で、
「欲しがる」という行為を思い描くことさえできなかった
そういう発想がなかったのだ

ちいさな町でも何かを得ることはできる

でも、その発想すらなかったのだ

そのことに気づいてああ、と小さな声をあげた










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